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Ross-Tech

SFDと診断フィルター/ファイアウォール

SFD (Schutz der Fahrzeugdiagnose = 車両診断プロテクトシステム)

SFDは、旧来のログイン&セキュリティアクセス機能に代わるものです。これは、コントロールモジュールへのアクセス、診断トラブルコード(DTC)や測定値(Measuring Values)の読み取りといった基本機能には影響を与えません。 コーディング(Coding)、アダプテーション(Adaptation)、ベーシックセッティング(Basic Settings)、アウトプットテスト(Output Test)などの高度な機能はSFDによって制限され、SFDロックの解除が必要となる場合があります。SFDは2020年モデルで初めて導入され、当初は新しいモデルや新しいコントロールモジュールに限定されていました。同一の車両内で、従来のログイン&セキュリティアクセス保護を使用するコントロールモジュールと、新しいSFD保護を使用するコントロールモジュールが混在している車両も見られます。 VCDSによるオートスキャン(Auto-Scan)を実行すると、SFDロック解除が必要かどうかが、VCIDの行末の「SFD」という文字で確認できます。

  Address 09: Cent. Elect. (J519)
  Part No SW: 1EE 937 089 D    HW: 1EE 937 089
  Component: SAM_H         H08 0530
  ASAM Dataset: EV_SAMVW31x 005001
  VCID: 43DB1062BB164BA2C69-8016 SFD

SFD2 (Schutz der Fahrzeugdiagnose 2 = 車両診断プロテクトシステム2)

SFD2は、前述のSFDに置き換わるものではありません。SFD2は、コントロールモジュールを不正な操作から保護するために、元のSFDの機能を拡張するものです。これは主に、運転支援システム、自動運転、ソフトウェアアップデート、および一般的なサイバーセキュリティを対象としています。
車両メーカーは、すべての仕様変更が工場で承認されていることを保証する必要があります。そのため、コーディングやアダプテーション、アップデートなどの機能は、デジタル署名と暗号化署名が施されている場合にのみ実行可能となります。
この制限は、サービスリセット、パーティクルフィルター再生、ブレーキパッド交換などの一般的な整備作業には適用されません。これらの作業は、通常のSFDロック解除で実行可能です。ただし、SFD2は、工場出荷時に設定されていない機能を有効にするための変更を制限/防止します。
VCDSでオートスキャンを実行すると、コントロールモジュールにSFD2署名付きメッセージが必要かどうかは、VCIDの行末の「SFD2」という文字で判別できます。

  Address 19: CAN Gateway (J533)
  Part No SW: 1EE 937 012 D    HW: 1EE 937 012
  Component: ICAS1 Host-SG 021 0411
  ASAM Dataset: EV_GatewICAS1MEBUNECE 001013
  VCID: 353F7EBAE5C2E51278D-8060 SFD+SFD2

診断ファイアウォールと診断フィルター

SFDおよびSFD2以前のモデルでも、診断ファイアウォールによって不正アクセスや仕様変更が防止されていました。この時期のファイアウォールは、ボンネットロックを解除するというものです。2015年モデル以降のすべての車両では、診断作業を行う前にボンネットを開けて、診断ファイアウォールを無効にする必要があります。
より新しいモデルにもこの診断ファイアウォールは設定されていますが、さらに診断フィルターによってコントロールモジュールへのアクセスがブロックされていることがあります。コントロールモジュールが「制限モード(読み取り専用)」になっている場合は、コーディング、アダプテーション、ベーシックセッティング、アウトプットテストなどの高度な機能のほとんどが、そのままでは使用できません。 VCDSでオートスキャンを実行すると、各コントロールモジュールのVCID行に「-R」が付加されることで、制限モードが有効になっているかどうかを確認できます。

  Address 06: Seat Mem. Pass (J521)
  Part No SW: 1N3 959 760 H    HW: 1N3 959 760 H
  Component: MEM-BFS       011 0571
  Coding: 0118BA4000012A008803010101010000000000000000000000000000211000
  ASAM Dataset: EV_SCMPasseSideCONTIAU736 006013
  VCID: 3E2D6196D0F4264AA97-806A-R

VCDSによるオートスキャンでは、VCIDラインに「-R」とSFD+SFD2との組み合わせが表示されることもあります。

  Address 08: Auto HVAC (J979)
  Part No SW: 1EE 907 007 B    HW: 1EE 907 007 B
  Component: Climatronic   H01 0146 
  Coding: 60202224A010120001100010110001102000103111101101000000000000
  ASAM Dataset: EV_ACClimaBHBE3ADV 002032
  VCID: 343943BEEEB8FC1A4F3-8060-R SFD+SFD2

この場合は「SFDの解除方法」のページをご覧ください。